◆第13回ヴィクトリアマイル・G1(5月13日・芝1600メートル、東京競馬場)
第13回ヴィクトリアマイル・G1は、母の日の13日に東京競馬場で行われる。活躍馬を次々送り出すエリモピクシーの子、レッドアヴァンセの充実ぶりは見逃せない。きょうだいで計重賞11勝を挙げるが、G1ではいずれも東京マイルで3着が最高。先週のNHKマイルCも弟のレッドヴェイロンが9番人気で健闘するも3着。得意の舞台で激走気配漂う姉が、母に初のG1タイトルを贈るか。
府中のマイルで血が騒ぐか。前走の阪神牝馬Sで頭差2着に入ったレッドアヴァンセに、再度の激走ムードが漂う。調教に携わる誰もが「舞台適性は高い」と口をそろえ、色気を持って大舞台に臨む。
きょうだい馬の活躍を追い風にする。先週、全妹のレッドオルガが湘南Sを快勝。半弟のレッドヴェイロン(父キングカメハメハ)がNHKマイルCで3着と、いずれも東京・芝1600メートルで好走した。「妹が追いついてきましたし、弟もいいレース。負けていられないですね」と担当の橋本真助手は力を込める。
状態は右肩上がりだ。「前走もいいと思っていたが、休み明けを使ったことで全体的にさらによくなった。食べたものがすぐ身になっている感じで、本当に充実している」と生野助手は胸を張る。
カイバ食いの改善による好影響は、体の隅々に及んだ。当初は爪が薄く接着装蹄。後肢の弱さから脚と脚をぶつけることも珍しくなく、桜花賞とオークスはレース中に落鉄した。不安が解消した2走前からは、4本の脚、全てにクギを打ち込む一般的なタイプの蹄鉄を装着して出走。きっちり結果を出した。
「調教でかわいがると走らない。先週しっかり追って体はできているし、440キロ台で出せそう。不安はない」と音無調教師。昨夏、死んだ母エリモピクシーは重賞ウィナー4頭を送り出しているが、G1馬はいない。6番子となるディープインパクト産駒が、母の日に最高のプレゼントを贈る可能性は十分にある。(吉村 達)
◇エリモピクシー産駒の成績 これまで8頭がJRAでデビュー。うち7頭が勝ち上がり、計33勝を挙げる。重賞はリディル、クラレント、レッドアリオン、サトノルパンの4頭で計11勝。ヴィクトリアマイルと同じ東京の芝1600メートルでは、クラレントが富士Sと東京新聞杯を制している。G1はクラレント(NHKマイルC、安田記念)、レッドヴェイロン(NHKマイルC)の3着が最高。
引用元:http://www.hochi.co.jp/horserace/20180508-OHT1T50147.html