◆第13回ヴィクトリアマイル・G1(13日・芝1600メートル、東京競馬場、稍重)
第13回ヴィクトリアマイル・G1は13日、東京競馬場の芝1600メートルで行われ、8番人気の伏兵ジュールポレール(幸)がゴール前の大接戦を制して鼻差勝ち。雨を味方に昨年の3着から躍進を遂げ、重賞初制覇をG1で飾った。大混戦の1番人気に支持されたリスグラシュー(武豊)はG1でまたも2着に敗れ、3着には7番人気のレッドアヴァンセ(北村友)が続いた。
勢いよく伸びる3頭の馬体が、ゴール前で際どく重なり合った。ジュールポレールは、先頭で粘る内のレッドアヴァンセをかわし、外から迫るリスグラシューの猛追を鼻差でしのいだ。G1初制覇に導いた幸は「(リスグラシューの武)豊さんに『どっちや?』と聞かれて、分かりませんと答えました。向こう正面でJRAの職員の方が、『勝ってます』と言ってくれて、ようやく分かりました」と大接戦を制して会心の笑顔を浮かべた。
道中はイメージよりも後ろの8番手となったが、馬のリズムを重視した。午後から降り始めた雨で昨年と同じ稍重となった馬場も苦にせず、直線では鋭い末脚を見せた。「1列くらい後ろになってしまったが、最後はいい脚を使ってくれるので、いつでも動ける位置を取れた。この雨も良かったと思うので、本当に運が良かった」と幸。この馬にとって硬すぎず軟らかすぎない適度な馬場を生んだ“恵みの雨”を勝因に挙げた。
初G1挑戦だった昨年も3着に好走していたが、西園調教師は「昨年と比べると脚元の不安がなくなって、しっかり仕上げられた。成長を感じました」と手応えをつかんでいた。これまでは重賞勝ちもなく、登録の段階で出走馬決定賞金順では最後の18番目だったが、うまく滑り込めた運もあった。
マイルCS勝ちの半兄サダムパテックも管理していた西園師は「最初からパテックの妹というので、大きい仕事を期待していた。やっとお兄ちゃんの域に達しました」と目を細めた。「パテックはすごく穏やかで、性格は全然違いますけど、根性は一緒ですね」と、2頭目のG1馬を送り出した母サマーナイトシティのDNAが鼻差勝ちにつながったと思い知ったようだ。
待望のタイトルを手にして次走は安田記念(東京、6月3日)を視野に入れる。「(今回は)賞金が一番下だったが、もう心配ないですね」と胸を張って2つ目のタイトル奪取へ意欲を見せた。
引用元:http://www.hochi.co.jp/horserace/20180513-OHT1T50185.html