「第78回皐月賞」の追い切り。弥生賞2着からの戴冠を狙うワグネリアンは栗東CWコースで静に徹した単走追い。大一番に備えた。こちらもステルヴィオ同様、先着を許したのはダノンプレミアムのみ。鞍上の福永祐一(41)には、悲願の皐月賞制覇が懸かる。
ゴールまで手綱は微動だにしなかった。ワグネリアンの最終追いはCWコース単走。終始、馬の行く気に任せ6F86秒1〜1F13秒0。G1の最終追いとしては物足りなく感じるが、友道師にとっては計算通り。「先週、ジョッキー(福永)を乗せて長めからしっかり追った時点で仕上がった。もう強くやる必要はない。息を整える程度。毛ヅヤも前走とは全然違う」。満足そうな表情で愛馬を出迎えた。
これまで4戦の最終追いは全て坂路。テンションが上がりやすいため、レース直前は距離の短い坂路でソフトな調整を行ってきたが、前走の弥生賞は裏目に出てイレ込みが激しくなった。「直前追いが軽過ぎて、元気が有り余ってしまった。今回はその反省もあって、長めからゆっくり乗ることにした」。ガス抜きをしつつも、精神面に余計な負担はかけない。微妙なバランスを考慮した上で、コース追いを選択した。
その弥生賞。主戦・福永は「ずっと気負っていて、返し馬が終わっても落ち着かず、ゲートの中でもうるさかった」と振り返る。それでも2着は死守。ダノンプレミアムには敗れたが、最速の上がり3F33秒7をマークして勝ち馬に迫った。「大崩れしてもおかしくない精神状態だったが、レースでは今までで一番落ち着いて上手に走れた。不思議な馬だが、丹念な調教のおかげで以前よりコントロールが利くし、フォームも良くなっている」と着実な成長を感じ取っている。
エンジンの掛かりが遅く、直線が短い中山が不向きなのは事実。その上で福永は「加速は遅いがトップギアに入ってから軸がブレず、伸びが素晴らしい。能力を100%発揮できるようベストの騎乗をしたい」。皐月賞で2着惜敗を4度経験している鞍上は、悲願成就へ力を込めた。友道師は「多頭数も初めて。いろいろ課題はあるが、うまく乗ってくれるでしょう。ダービーへ胸を張って行ける結果を残してほしい」と送り出す。クラシック1冠目は、夢への一歩にすぎない。
引用元:https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2018/04/12/kiji/20180411s00004145379000c.html